時価総額加重平均型ETFと均等加重平均型ETFの違いは?メリット、デメリットは何か?

用語

投資において時価総額加重平均( market value weighted )と均等加重平均(equal weighted)という言葉があります。ETFのポートフォリオ構成や、指数で使われる言葉です。聞いたことはあっても具体的な意味まで把握してなかったのでここでまとめます。

語義

時価総額加重平均指数とは

組入銘柄の時価総額合計を、基準となる一時点での時価総額合計で除算して求めるものである。世界の多くの株価指数がこの方式を採用している。

Wikipedia/ 時価総額加重平均型株価指数

構成銘柄の時価総額が何倍になったか、ということを計算する事になります。

※ここで言う時価総額は、上場株式数×株価で決まります。A社が100株500円で売っていれば、A社の時価総額は5万円、といった具合!

時価総額がそれぞれ 

A社:5万円、B社:10万円 C社:100万円 D社:800万円

で構成される場合、915万円が組入銘柄の時価総額合計となります。この時を100ポイントとします。

  例えばその後A社が潰れてE社が新たに参入し、他の会社の時価総額も変化したとしましょう。

 E社:2万円 B社:6万円 C社:130万円 D社:960万円

となった場合、1098万円が組入銘柄の時価総額合計となります。

ABC社で構成されて居た時を基準点とし、DBC社で構成された今の指数を表現するならば、1098/915=1.2倍に時価総額合計は増えておりますので、100ポイント×1.2倍で120ポイントとなるわけですね。

こうやって組入銘柄が変化しながら指数を計算することで、市場の変化を指数から読み取ることを主としています。

例えばS&P500も以下の通り計算されています。

1941~1943年の組入銘柄500社の時価総額合計を3で割った(一年あたりの平均時価総額合計)額を”10ポイント”と規定。

  ↓

この3年間の平均が基準点。あとは、求めたい時期の500社の時価総額合計を、基準点の時価総額合計で割ればその時期のポイントが出る。

例えば、2000年のS&P500のポイントは 1,320.28 でした。すなわち、1941~1943年の頃よりも、S&P500はなんと132倍時価総額が増えているということになりますね。

均等加重平均指数とは

 一方で基準日において均等に保有し、ポイントを割り出すのが均等加重平均です。

上記ABCD社→EBCD社での例で指数を均等加重平均指数を作ってみましょう。

A社:5万円 B社:10万円 C社:100万円 D社:800万円

D社:2万円 B社:6万円 C社:130万円 D社:960万円

これらを”それぞれを均等に保有するように”指数を計算します。

すなわち組入銘柄が4つですので、それぞれ構成比率が25%ずつ保有します。

この年のポイントを100ポイントと割り振る場合、

A社(5万円):25ポイント B社(10万円):25ポイント

C社(100万円):25ポイント D社(800万円):25ポイント

とそれぞれの会社にポイントを割り振る事になります。

その後同じように時間が経過しEBCD社で構成し、時価総額が変化しました。

A社(5万円)→E社(2万円)と組入変更していますので、A社の地位をE社にそのまま引き継ぎ、そしてポイントを前回から時価総額の増減にあわせて割り振り直します。

E社(5万円→2万円)と6割減ですので、25ポイントを6割減します。

よってE社(2万円):10ポイントとなります。同様に他社も計算しますと……

E社:10ポイント B社:12ポイント C社:32.5ポイント D社:30ポイント

となります。

よってEBCD社で構成された時点でのポイントは84.5ポイントです。

ABCD社時代と比べて、ポイントが減ってしまいました!?

時価総額加重平均だと120ポイントと増えていましたのに、均等加重平均だと時価総額合計は増えてもポイントが減ってしまいます。

ここに2つの指数計算の特徴が出ることになります。

時価総額加重平均と均等加重平均の特徴

時価総額加重平均と均等加重平均の特徴は、

 ・時価総額加重平均が大型株の影響を大きく受ける

 ・均等加重平均は小型株の影響を大きく受ける

という点になります。

理由を以下解説します。

時価総額加重平均は単純に構成銘柄の時価総額をすべて足す事になります。

つまり、先の例でいうとABCD社時代では915万円を100ポイントとしてます。

この時の各社に割り振られたポイントを計算すると、なんとD社は約87ポイントも与えられています。一方A社は約0.5ポイントしか振られていません。

つまり、時価総額加重平均指数は時価総額が大型株にポイントが多く割り振られる事になります。

対照的に均等加重平均はA社にも平等に25ポイント与えられていました。

すなわち、均等加重平均指数は小型株にポイントが多く割り振られてしまいます。

どちらにも連動するETFがあるけど、どっちが良いの?

本題はこちらですね、時価総額加重平均と均等加重平均でポートフォリオを構成するようなETFがあります。

これはどちらが良いのかという点で疑問が湧くことでしょう。

S&P500を時価総額加重平均と均等加重平均でポートフォリオを構成するETFがあるので、

それでトータルリターンやチャートを確認してみましょう。

緑:SPY(S&P500時価総額加重平均型ETF) 青:RSP(S&P500均等加重平均型ETF)

なんと均等加重平均が勝ちました。

両者の特徴を思い出していただけるとすぐに納得いただけると思いますが、特にここ10年のリーマン・ショック後は10年に渡り長期の好景気があります。

そして小型株は大型株と比して小型故に成長性があり、結果小型株を多く保有する均等加重平均型の方がトータルリターンが多くなった、というわけです。

しかし、グラフ内におけるリーマン・ショック時や2019年1月のフラッシュ・クラッシュ時でSPYを超える暴落を見せています。

これは、小型株は不景気や金融危機に弱いことから小型株を多く保有している均等加重平均型ETFの方がよりボラティリティが大きくなってしまって居ることを意味します。

小型株だけに投資というのは?

先程のチャートから一つ追加しました。

これはIWM(iシェアーズ ラッセル2000ETF)で、ラッセル2000という小型株2000の銘柄に連動する指数になります。ちなみにIWMは時価総額加重平均型です。

ここで注目すべきは、S&Pとラッセル2000で構成銘柄が違うとは言え、成長性という意味で小型株だけに投資をしているラッセル2000はトータルリターンではSPYに及ばないという点です。

更にIWMとSPYを2012年から現在までの完全な好景気の中で比べてみましたが、こちらもトータルリターンはSPYは負けています。

小型株の成長性はあっても、好景気の中すべての小型株が大きく成長するわけではありません。中には倒産したりもするわけですから、リスクの大きい株ではあります。

長期保有であれば均等加重平均型が有利か。

しかし、均等加重平均型指数はボラティリティが大きく不景気時の大きく価値を下げる傾向にあります。

したがって、好景気時に積極的に買うと割高となってしまいますので、定期的買い付けか、価値を下げた不景気時に限定して買うのが相当かと考えます(何にでも言えますけど……)。

ボラティリティが大きいと、買うタイミングでトータルリターンが大きく変動してしまうので、長期投資でかつこれからもS&P500及び米国経済が右肩上がりであることを前提に考えれば、均等加重平均型が良いでしょう。

ETFの特性によって違いますが、時価総額加重平均型ETFなのか、均等加重平均型ETFなのかでまた見えてくる特性が変わってくると思います。

それではまた次回お会いしましょう。

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