外出自粛でネット利用急増でも通信株は伸びず、AT&TとVZの差を確認する

検討

ネット利用急増中ですが、通信株は伸びず

新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界的なロックダウン(都市封鎖)でインターネット利用が拡大し、ゲームや食事デリバリーといった企業のオンライン販売が増える中、通信株の株価はネットサービスを利用している企業をアンダーパフォームしている。アジア、アフリカ、欧州、南北アメリカでの高水準の固定費や債務に市場混乱が加わったためだ。

焦点:新型コロナでネット利用急増、なのに通信株低迷の不思議

記事によるとネットを利用したオンライン系サービスの販売が増えている中、オンラインをするために重要な通信企業の株価がオンライン系サービス企業の株価をアンダーパフォームしているようです。

Amazonはこんな中最高値を更新するという状況ですし、比べる相手が悪いような気もします。

世界的にみると、MSCI世界通信サービス株.MIWO0TS00PUSは13%安となっており、下落率はヘルスケア株.MIWO0HC00GUS(6%)、テクノロジー株.MIWO0IT00PUS(8%)、生活必需品株.MIWD0CS00PUS(10%)よりも大きい。

焦点:新型コロナでネット利用急増、なのに通信株低迷の不思議

ネットサービスが利用が増えたのだから、株価が上がるかコロナ前の水準まで戻していても良いのではないかとも考えられます。

ですが通信株というのは、契約者が増えて売上が伸びるため、通信量が増えただけではただ単に通信会社への負担が増えただけになりかねません(従量制データ通信契約ならいいけど)。

となると、記事の通り高いコロナショック下におけるデフォルト懸念から債務や設備費、固定費の多い通信株の戻りが遅いというのは一定の説得力があります。

VZとAT&Tの財務状況の比較

AT&Tは御存知のとおりタイム・ワーナー買収による債務が激増した会社です。一方でベライゾンはAT&Tほどは債務は多くありません。

2019年までの債務の推移をみると、ベライゾンはここ5年は一定なのに対してAT&Tは債務の増加が大きいです。

売上はAT&Tの方がタイム・ワーナーを買収した分VZを上回っていますが、財務状況という意味ではAT&Tには債務不安があるというのが実情で、株価にもそれが反映されています。

DERについては、VZが2を超える水準である一方で、AT&Tは1を下回っています。

発行済株式総数の差もありますが、DERという点だとAT&Tの方が安定しています。

※DER(負債資本倍率)とは、負債/株主資本で数値化され、返済義務が無い株主資本で負債をまかなっていればいるほど財務が安定的だと言われています。

しかしこれはAT&Tが発行済株式総数という点でVZを大きく上回っている点にあらわれています。

また発行済株式総数の推移も買収等の費用のためにAT&Tは増加傾向、VZは自社株買いこそせずともほとんど維持をしています。

一方でCR(流動比率)はVZ、AT&Tともに現在同じ水準です。流動比率とは「1年以内に現金化できる資産/1年以内に返済すべき負債」で数値化されます。

これは1以上あれば手元の収入だけで返済できるという財務安定性を計る数値ですが、こちらはどちらも1未満。

AT&Tの負債自体は多いのですが、VZ共に数値上に差は無いようです(むしろAT&Tの方が良いとも言える)。

AT&Tとベライゾンの年初来株価推移

これを見ると一目瞭然なのですが、ベライゾンはほぼ株価を戻している一方、AT&Tはいまだ年初来マイナス20%という圧倒的差が生じています。

割安圏に突入しているのは間違いなくAT&Tで、これは大きい債務への不安から生じていると言えます。

ベライゾンはもちろん優良銘柄ですし、コロナショックで大きなディフェンシブ性を見せてくれたところを考えると今後株価が二番底を打った時に再び10~20%ほど下げるでしょうから、その時にまた買いを検討したい銘柄であります。

通信株はディフェンシブの特性を失っているわけではない。MSCI世界通信サービス株の13%安は市場全体.MIWO00000PUSの下落率(16%)に比べればましだ。

今回の下げで割安感が出ており、デニソン氏は安定した利益があり、債務も少ない中国移動(0941.HK)株を買い入れたという。

一方で、ネットフリックス(NFLX.O)やアマゾン・ドット・コム(AMZN.O)といった通信インフラを利用する企業がアウトパフォームしており、ネットワークオペレーターを置き去りにしている。

焦点:新型コロナでネット利用急増、なのに通信株低迷の不思議

通信株と、今をきらめく成長株であるネットフリックスやアマゾンを比べるのはいささか酷じゃないかとも思いますが……、記事でも通信株のディフェンシブ性が失われたという意味ではないと書いてありますし、私も同感です。

参入障壁が高く、需要が今後も継続して見込まれることからインフラの一種としてみていいからですね。

ちなみにAT&TとVZの2000年来のトータルリターングラフはこの様になっています。


どうみてもVZの方がいいです、本当にありがとうございました。

とは言えどちらかに傾注して投資するのも危ないため、VZとAT&Tは並行して投資を進めていきたいと思っています。

思っているのですが……VZはもう少し下がってから……とかタイミングを見計らってしまいますね。

 

それではまた次回お会いしましょう。

 

※関連記事です

2018年版データのままですが、AT&Tとベライゾン比較の記事です。フリーキャッシュフローはベライゾンが常にプラスのため、長期投資では現段階ではベライゾンの方がいいかと思います。

コロナショックで最低値をうったのは3月23日ですが、3月11日の記事ながらコロナショックにおけるセクター別騰落率を記事にしました。VOX(通信技術セクター)はギリギリ市場平均を下回りましたね。いずれまた最新版の当落比較記事を作りましょうかね。

※ランキングに参加しています、クリックしていただけると嬉しいです。(クリックするとランキングに飛びます)


検討
シェアする
仕事辞めたい男の投資ブログ

コメント