今後のエネルギーセクターの見通しについて

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下落し続ける原油価格

20日の原油先物相場は急落。米原油先物は一時20ドルの大台を割り込んだ。週間では1991年の湾岸戦争以来の大幅な下げを記録。新型コロナウイルスによる需要減退を巡る懸念が売りを誘った。

ある市場関係者は「経済が失速していく中で、需要崩壊が進んでいることは間違いなく、米国がいくら減産や設備投資の縮小を行っても意味がない」と述べた。

米原油先物が一時20ドル割れ、週間では湾岸戦争以来の下落率

現在、原油価格の下落が止まりません。

現在1バレル23ドル程度です。

今回の原油下落のポイントをまとめると

  • コロナウイルス感染拡大防止のため経済縮小でエネルギー需要減少
  • OPECプラス協調減産合意破談
  • サウジアラビア原油増産

という三点でした。

ただでさえ供給過多による原油価格下落にダメージを大きく与えました。

これを受けて原油関連株は大きく下げています。

どの色がどの会社か説明するのがあれですが、

紫:XOM 青:RDS.B 水色:CVX オレンジ:BP

です。

皆仲良く50%を超える下落幅です。

配当利回りは現在このようになっています。

XOM:10.11%

RDS.B:16.7%

CVX:9%

BP:14.82%

ワオ、素敵な配当利回りだね!まるで減配直前の銘柄たちの利回りだよ!

という事で、先日オクシデンタルペトロリウムが減配したとおり、原油価格がこの水準で続くようであれば、配当を維持することは到底無理ですので、どこかコストカットをしなくてはいけなくなります。

とはいえ、ここ20年で見れば、原油価格の水準があまりにも低すぎるのは間違いありません。

原油価格の水準はむしろもとに戻ったと考えてもいいかも

楽天証券より

しかし、NY原油価格は上場直後はむしろ20ドル台で推移しており、2000年頃の中東戦争以降大幅に上昇したのが実情です。

ここ20年は50~60ドル以上で多く取引されていたので、各社とも大きく利益を上げることが出来ました。

一度規模を拡大し、50~60ドルで売れる前提の経営をしてしまっている以上簡単に戻ることは出来ないでしょう。

原油銘柄は今後コストカットを更に進めるしか方法が無いでしょう。

生産コストは低いがダメージが大きいサウジアラビア

2020年の予算を発表した。歳出規模は1兆200億リヤル(約30兆6000億円)で、前年(1兆480億リヤル)比ほぼ横ばいとなる。財政赤字は1870億リヤルで国内総生産(GDP)のおよそ6.4%。19年の4.7%から悪化する。

(中略)

石油価格の低迷を背景に石油の販売収入は、19年の6020億ドル(約65兆円)から5130億ドルに減る。これから逆算して得られる想定石油価格を市場では1バレル62~63ドルとみている。石油収入は歳入の3分の1以上を占める。

サウジが2020年予算を発表 石油価格の低迷で赤字拡大

サウジアラビアの生産コストは非常に低く、1バレル数ドルとまで言われています。

サウジアラビアは国家予算のうち、多くを石油販売収入に頼っています。

記事によると、2020年のサウジの国家予算から逆算すると1バレル62~63ドルを想定して国家予算を組んでいることが分かります。

もちろん原油価格が下落すればその分サウジは多くの石油を販売できますが、さすがに20ドル前後では国家予算上の想定収入に至ることが出来ないのは明白です。3倍売らなくちゃいけないからですね。

原油価格下落でダメージを追っているのは、別にオイルメジャー各社だけではありません。

今後のエネルギーセクターの見通しについて

本来原油価格の下落というのは、景気刺激効果があります。

経済の血流とも言っていい原油は、その価格が安ければ運搬コスト等が下がりますので、その分経済が活性化しやすいです。

それもコロナで人の流れを止めている今ではあまり意味がありませんが、経済がもとに戻るという意味では追い風状態だと思っています。

さて、一つ原油価格高騰の目があるとすれば、やはり産油国です。

サウジやロシアですが、原油価格が下落するとそのまま国の経済にダメージを負いかねません。

サウジはその点を理解して、諸刃の剣として増産宣言をしたわけですね。OPEC対ロシアの構図であることは前々から周知の事実でしょう。

しかしこの勝負はサウジの方が分が悪いです。

というのも、ロシアは1バレル40ドルを前提に国家予算を組んでいます。

ロシアはサウジが価格戦争の引き金を引くとは考えていなかったが、今のところサウジよりも長く持ちこたえられることに自信を持っている。

(中略)

ロシアの損失はすでに目に見える形で表れており、通貨ルーブルは下落、経済はリセッション(景気後退)に向かっている可能性がある。国家予算は原油価格40ドル強を前提としているため今年は財政赤字に陥る公算が大きく、政府系ファンドの資金に頼らざるを得ない恐れが生じている。

プーチン大統領、原油生産でサウジの「脅し」に屈しない-関係者

もちろんこれも把握した上で、それでも増産に踏み切っているんでしょうが……。

採掘コスト的にはまだ利益が出るため、産油国は損益分岐点に達する価格まで原油を売り続けると考えられます。

となると、私企業ながら大量の原油を輸出するアメリカが、自国の企業を守るために仲裁するというシナリオが考えられます。

当局者の話によると、トランプ政権は原油価格の安定化に向け、サウジアラビアにエネルギー省高官を派遣する見通し。

米原油先物が一時20ドル割れ、週間では湾岸戦争以来の下落率

が、これも大きく効果がないでしょう、期待できません。

今後の見通しとして、原油価格はすぐには戻らず、50ドルの水準も来年以降に持ち越しじゃないかな、と思います。

コロナが収束して、しかもOPECプラスが協調減産すれば、もしくはという感じでしょうか。

それでもすぐにエネルギー需要が復活するとは思えないので、やはり1年単位での戻りになるのではないかな、と思います。

エネルギーセクターも同様に株価を戻すなら徐々に戻ると思いますので、「この利回りは今しかない!」と焦らず、買うにしてもちょっとずつ投資をすればそれで足りると思います。

まだ下がるかもしれませんしね。

それではまた次回お会いしましょう!

※関連記事です

超長期的にはエネルギーセクターは買いだと思っています、経済拡大に伴いエネルギー需要は拡大するし、数十年後も石油は重要なエネルギー需要を支える要素だと思っているからです。

2月から原油価格下落がとまりません、底なし沼です。まさか20ドル割れるとは思ってませんでしたが。減配も考える水準ですね。

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