インデックスファンド(ETF)の危険性について

検討

インデックスファンド(ETF)の危険性を主張する記事

先日ブルームバーグの記事で面白い記事がありました。

ヘッジファンド投資家のマイケル・バーリ氏 が、インデックスファンドに警鐘を鳴らしているという旨の記事です。

マイケル・バーリ氏とは、マイケル・ルイス著「世紀の空売り」もしくは映画「マネー・ショート 華麗なる逆転」で元となった、リーマンショック時の空売りで大儲けをした投資家です。

さて、そんな著名な投資家のマイケル・バーリ氏がインデックスファンドに警鐘を鳴らしている理由とは何でしょうか。

ブルームバーグの記事ではこのように記載がされていました。

ヘッジファンド投資家のマイケル・バーリ氏は、最近のインデックスファンドへの大量の資金流入について、2008年に世界的な金融危機が深刻化する前の債務担保証券(CDO)のバブルと類似性があると指摘した。CDOの価値はその後急落し、グローバル金融システムは破綻の瀬戸際に追い込まれた。

ブルームバーグ/「世紀の空売り」投資家、インデックスファンドに警鐘-CDOと類似

ふむふむ……ん?

債務担保証券(CDO)って何?ってなったので調べてみました。

債務担保証券(CDO)とは?

債務担保証券、そしてこれと同時並行で問題になったサブプライムローン問題、そして住宅バブルについて同時に理解するとわかりやすいです。

サブプライムローン問題から生じたリーマンショックを理解すると、それを切り抜けたマイケル・バーリ氏のインデックスファンドへの懸念がわかると思います。

いやリーマンショックの流れは知ってるよ、って方も念の為おさらいということで。

【サブプライムローン】

リーマンショックの元となった”信用の低い低所得者”向けの住宅ローンです。

低金利で借りることが出来るが、数年後に高金利になる設定です(信用が低いから当然ですね)。

ただし、購入した住宅や土地の価値が上昇していれば、より低金利のローンにできるという特約がありました。

2000~2005年あたりは土地の価格が上昇傾向になる土地バブルがアメリカでは生じており、人気なローンでした。

【住宅ローン担保債権(RMBS)】

複数のサブプライムローン債権を担保にした債権(RMBS)が作られました。

これは、サブプライムローン等の住宅ローンからの元利返済金を裏付け(担保)とする証券です。

つまり信用二階建て状態。

信用二階建てするには信用元が低所得者向けローンなのは大丈夫なんですかね、って感じ。

【債務担保証券(CDO)】

ついに来ましたCDO。

債務担保証券はこの流れでどう関わるのか。

住宅ローン担保債権(MRBS)を元に債務担保証券(CDO)を作りました(笑)

アホかな?

流石にここまでダイレクトではないのですが、住宅ローン債権を含む様々な債権やデリバティブを混ぜ合わせた「ハイリスク・ハイリターンで複雑な金融商品」を作り上げました、これが債務担保証券です。

実際信用三階建て状態という恐ろしいものも組み合わせた商品だったのですが、住宅価格がバブル状態だったので大丈夫でした。

また、信用の高い債権を交えることで、 格付け会社によるCDOの格付けがリスクを過小評価していた ことも問題でした。

まぁ住宅バブルが崩壊し、金融危機が生じたというわけですね。

ETF(インデックス)とCDOの類似性とは?

ブルームバーグの記事の続きを追います。

CDO購入がサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン債権の価値をゆがめたのと同様、インデックスファンドへの資金流入によって、今は株価や債券相場にゆがみが生じていると分析。

ブルームバーグ/「世紀の空売り」投資家、インデックスファンドに警鐘-CDOと類似

マイケル・バーリ氏の言う歪みとはなにか?

これは”バブル”のことだと言えます。

すなわち、実際の価値を遥かに超えた評価がなされ、取引がされているという意味です。

んー、つまり……。

・CDO=住宅ローン債権含む複雑な複数の債権の金融商品

・ETF=クソ株含む複雑な複数の株(もしくは債権)の金融商品

 

という金融商品としての”構造上の類似性”がまず上げられます。

そして、その類似性から生じる”歪み(バブル)”も生じているのではないか、というのがマイケル・バーリ氏の主張であると言えます。

ETFが株や債権の相場歪みを生じる理由

【CDOがバブルになった理由】

格付け会社によるリスク過小評価から、投資機関が資金力を元にCDOを購入することで、バブルが起きました。

これは、複数の債権を、さらに複雑に構成することで、「複雑さ=リスク分散」という構図がついていたからです。

CDOの住宅ローン債権の歪みとは、

①CDOという金融商品への評価が、CDOを構成するローン債権以上のものであった

②そして、CDOに対して投資機関が大量に資金投入したた

これらがローン債権価値とCDOへの評価価値が乖離し、バブルが生じた正体と言えます。

ETFについても、①と②の点について同様のことが言えるのではないか考えます。

ETFは過大評価か?

さて、資産規模が増えたインデックスファンドが現在人気の理由は以下の通りでしょう。

①手軽に分散投資が出来る(低コストのものも増えてます)

②市場平均は上昇し続けている(S&P500なら年6~7%)からその波に確実に乗れる

これが加熱した状態になると、ETFそのものに”泊”がついている状態と言えます。

本来であれば、ETFを構成する会社や債権に応じて評価するはずが、ETFであるという泊がついているために、実際より評価が上がっている状態です。

まさにCDOの複雑さと信用格付の不適格さが、ETFにもそのまま当てはめることが出来てしまいそうな状況です。

ただし、シンプルな指数連動型のETFであれば、評価の目安が存在するので過大評価及び過小評価にはなりえないと考えます。

例えばSPYはS&P500に連動することを目安としますから、過剰評価や過小評価はなりにくいでしょう。

しかし、デイリーブルベア~倍、社債ETFなどは目安とする指数に連動するわけではないため、今後過大評価が生じる可能性はあります。

ETFへの資金流入の加熱具合

現在インデックスファンドには大量の資金が流入しています。

ETPとは、ETC,ETN,ETFを3つまとめたもののことで、Exchange Trade Productsのことです。

世界的にインデックスファンドはこの図のように増加傾向にあります。

また日経新聞のネットの記事で今年以下のような記載がありました。

上場投資信託(ETF)が世界の金融市場を席巻している。英調査会社ETFGIによると、資産規模は2018年末で約4兆8100億ドル(約530兆円)と、10年間で6倍に増えた 。

世界のETF市場10年で6倍に/日本産経新聞

 

この資金はどうなるか?

当然、目指すインデックスに連動する為に、構成する株を買うことになります

これは、ETFが拡大されるたびに、市場にお金が流れることになります。

……おや、これってCDOバブルと似ているような気がしますね。

さて、もし本来の価値より資金流入によって株価が引き上げられ歪み(バブル)が生じているとすれば、割高になっていっているはずです。

割高を図る指数とすれば、まずはPERがあります。

S&P500のPERの推移は下図のとおりです。

リーマンショック前で異常なくらいバブルが生じています。

また、ドットコムバブルの時もPERが異常な数値になっています。

確かに、現状PERは上昇傾向と言えます、過去のPERの推移と異なり右肩上がりですね。

PER15以下は1990年以降ほぼ無いですね。

PERの今後の推移は要注目ですが、今現在はバブルには”まだ”届いていないと考えられます。

しかし、現在のPER平均22というのは純粋に高めではあります。

近年のETFへの資金流入に伴うようにPERが上昇しています。

ドットコムバブル、リーマンショック時ですらPERは15をほぼ下回っていません。

ETFが登場する1980年代以前と比べて、平均が5%以上上昇しています。

この点において、ETFが原因なのかはさておき、米国市場は過去平均に比べて”歪んでいる”状態であると言えます。

もちろん、米国のGDPは増大しているから、ホールドし続けていればその経済成長の恩恵を受けることは出来ます。

バブルではないが、割高なのは確か

本記事で取り上げたブルームバーグはこのような文言でしめています。

バーリ氏は「多くのバブルがそうであるように長く続けば続くほど崩壊はより深刻なものになるだろう」と指摘した。小型のバリュー株を同氏が選好する理由の一つは、パッシブ運用のファンドにあまり組み込まれない傾向にあるためという。

ブルームバーグ/「世紀の空売り」投資家、インデックスファンドに警鐘-CDOと類似

つまり、ETFに多く組み込まれている銘柄は、市場価値以上の”買い”が集まるからよりバブルになる。

その影響を受けたくないならば、ETFに組み込まれにくい小型株を……という結論のようです。

個人的にはETF市場は米国ETFが多く、また米国株を構成するETFが多いので、米国以外の株を買えば良いんじゃないか?と思います。

ただし、米国の圧倒的な経済成長力の波に乗れないのが欠点だと言えます。

また、S&P500のPBR推移は以下の通りです。

2000年のドットコムバブルは明らかにITバブルで企業価値以上の値段がついていたと言えます。

一方で、リーマンショックは株価バブルではないためPBRは特に上昇しませんでした。

PER、PBRどちらを見ても、現在は割高の数値を表しています。

ただし、これはただの割高、つまりバブルでは有りません。

このまま景気後退が進むかもしれませんが、仮に再び上昇トレンドに入った場合、さらに割高が進む可能性があります。

この割高が、長期的好景気による強気相場の賜物なだけであるのか、ETFの影響が多少なりともあるのかは不明です。

マイケル・バーリ氏始め、ETFの危険性を唱える投資家の主張はあくまで仮説に過ぎません。

しかし、一定の論理性があるだけに否定できないというのが個人的見解です。

現在の割高は強気相場によるものであると思います。

しかし、今後ETF市場が拡大していく中で、その資金量が株式債券市場の歪みを生み出さないとは誰もが否定をすることが出来ないはずです。

バブルになるならどうすればいいか?

ど、ドルコスト平均法かな……(ボソッ)

インデックス投資が最適解と呼ばれる最たる前提条件は、長期的なホールドだったはずです。

10年くらいのスパンであればバブルが弾けて長く続く割安状態に置かれるのは想像できる範疇の出来事です。

しかし、本来割高の反動で売られた時、割安になるわけでその時って買い時なんですよね。

そして20年、30年と経っていくとバブルが馬鹿らしくなるくらい経済成長している、というのが長期投資の戦略です。

ファンドと異なり、一般ピーポーの我々が唯一武器にできるのが、この時間であります。

投資機関は特定の期間以内に利益を上げることを求められますが、我々は時間という暴力で十年単位での目線で投資ができます。

バーリ氏の予想の通りバブル状態となり、そのバブルが弾けたとして暴落を起こしたとしても、焦らず割安になったものを買い付ければ良いでしょう。

 

それではまた次回お会いしましょう!

※私は現状ETF保有方針です。できればもう少しETFを多めにしたいのですが、最近少し再考、方針変更検討気味です。いずれ記事にします。

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