【MMM】スリー・エム銘柄分析-連続増配60年を超える大企業-

銘柄分析

基本情報

社名:3M Corporation

ティッカー:MMM

セクター:資本財

S&P格付け:AA-

ROE:54.02%(2019/09/30時点)

PER:18.40(2019/12/10時点)

株価:167.66ドル (2019/12/10時点)

配当利回り:3.4355% (2019/12/10時点)

多角的経営をしている大型コングロマリット企業です。

ポストイット等で有名ですが、他にも電気、ヘスケア、通信、自動車、オフィスなど様々な分野に多くの製品を提供しています。

5部門ある事業を4つに集約中

事業構成は以下のとおりです

工業:37.4%

セーフティー&グラフィックス:20.8%

ヘルスケア:18.4%

電気、エネルギー:16.7%

消費財:14.6%

セーフティ&グラフィックスってなんやねんって感じですが、2018年決算をグーグル翻訳にかけると以下のような記載が出てきました。

安全性とグラフィックス事業:安全性とグラフィックスセグメントは、人々、施設、システムの安全性と生産性を向上させる幅広い市場にサービスを提供しています。主な製品には、呼吸保護、聴覚保護、目保護、転倒防止などの個人保護製品が含まれます。

2018 3M annual reports

グラフィックってなんなんだと思いますが、どうやらグラフィックシート等のことのようです。

よく駅の床に案内の絵や矢印がはられていますが、あれのことですね。

ある意味安全性なのでしょうか……(;´∀`)

米中貿易摩擦の影響で、直近決算は悪い

直近の2019年3Q決算シートを見ると分かりますが、米中貿易摩擦の影響で中国の売上がどえらく下げています。

外的要因ですが、米中貿易摩擦への影響をモロに食らっており、アジア減収が見通しを悲観的にさせています。

そのため、最近は株価が軟調気味です。

米複合企業スリーエム(3M)が24日発表した第3・四半期決算は、アジア太平洋地区での減収が響き、売上高が市場予想を下回った。通年利益見通しも下方修正し、米中貿易摩擦が企業業績に及んでいる兆候が浮き彫りとなった。

3Mの第3四半期売上高は予想割れ、利益見通し下げ アジア減収

通年利益見通しも悪く、今年度は株価を下げてしまいました。

医療事業拡大につきアセリティー買収

日用品・工業品メーカーの米3Mは、医療関連製品メーカーのアセリティーを約43億ドル(約4800億円)で買収することで合意した。買収規模は3Mとしては過去最大。マイク・ローマン最高経営責任者(CEO)は事業拡大に向けてより積極的なアプローチを取っている。

3Mが医療製品事業を拡大-ファンドから関連企業を43億ドルで買収へ

2019年5月2日にこの報道を受けて、さらに3Mの株価は下げました。

買収額43億ドルということで、2018年の売上高の1.5倍以上ですね。

総負債は増加傾向なのですが、更に負債が増えそうです。

しっかり増収につなげてくれたら良いのですが、それがわかるのは2020年以降でしょう。

地域別売上高

米国:39.2%

アジア:31.3%

欧州中東アフリカ:20.3%

ラテンアメリカ・カナダ:9.2%

地域別で考えると、主要な市場は米国およびアジアになります。

ここから米中貿易摩擦による同社へのネガティブイメージが如何に大きいかがわかると思います。

株価チャート

10年チャートになります。

2018年1月に250ドルをつけてから、200ドルまで下がり、そのあと今年の4月に更に下げて160~170ドルを行き来しています。

2018年自体は税の恩恵にあずかり純利益は増加したものの、原材料費や販売費などのコストが増加しました。

米中貿易摩擦懸念と2019年のアセリティー買収から、下落傾向にあります。

財務諸表

素晴らしくきれいなグラフです。

この間リーマンショック等があったのですが、そんなものは感じさせません。

惚れ惚れするようなグラフです。

常にプラスのフリーCF

キャッシュ創出能力については疑問が生じる余地もないでしょう。地味に右肩上がり傾向です。

なお、投資CFを含めたネットCFは以下のとおりです。

相当お金があるのではないでしょうか。

ここまでほぼプラスなのは逆にすごいです、普通はプラマイゼロで優秀、マイナスが多いくらいな企業が多い中これです。

投資CFは2018年を除いて常にマイナスでしたので、ちゃんと投資はしているようですが。

営業CFマージンは常に20%前後

営業CFマージンは、常に数値が安定的です。低くとも17%、高くとも22%です。

多角的に経営している影響か、少なくともここ15年は常に安定的なようです。

多くの事業や商品を抱える同社の営業CFマージンはこれ以上増えることも減ることもないでしょう。

売上は右肩上がり

完全な右肩上がりではないものの、売上や純利益などは増加傾向にあるようです。

EBITDA、EBITDAマージン 、総負債、財務CF

総負債は増加傾向ですね。

2019年にさらにアセリティー買収をしましたので、ここから総負債は増えることになるでしょう。

税収や設備費などを省いた真の収益力であるEBITDAは、2017年と比べて2018年は微減になっています。

全体的には一応増収傾向と見ていいでしょう、上がり幅はわずかですが。

営業CFマージン同じく、EBITDAマージンも非常に安定的です。常に25~30%内を行き来している形で相当売上に対する利益が安定的なことが分かります。

様々な事業を抱えていることが、分散投資のような安定性を生んでいるのようです。

債務の安全性(CR:流動負債比率、DER:負債資本倍率)

【DER】

負債資本倍率は負債が増えるにつれて大きく数字を上昇させています。

後述しますが、自社株買いを大きく進めており、それと比して負債が上昇しているので、これだけで債務の不安定さを語ることは難しいでしょう。

DERは1以下が良いとされてますが、近年は1を大きく超えています。

【CR】

流動負債比率は約2に近く、相当財務状況が安定しているようです。

流動資金/流動負債でCRは表し、1年以内に現金化出来る資産/1年以内に支払う債務で表されます。

2~2.5あると財務が安定していると言われており、案外これが1すら無い企業もあったりするのですが、スリーエムはこの点大丈夫のようです。

S&P格付けの通り、AA-の格付けに違わぬ安定性と言えるでしょう。

発行済株式総数

発行済株式総数は減少傾向です。

自社株買い及び後述する増配を繰り返し、余りあるキャッシュを株主に還元しています。

非常に優良な企業だと考えます。

配当金推移、配当性向 (連続増配61年)

配当は2014年から一気に上昇しました。

配当性向はまだまだ余裕ですから、特に心配はありません。

FCFPS(1株あたりのフリーCF)は以下のとおりです。

自社株買いとフリーCFの上昇によりデコボコながら上昇傾向です。

連続増配61年ですが、今後も増配年数を増やし続けると思います。

配当利回り推移

実は、2019年12月現在かなり配当利回り的には最高値付近にいたりします。

同社は増配を繰り返し、株価が最近下落傾向であることからこのような状態になっています。

総括

長期投資に適した財務状況が堅牢な企業。

配当利回り的にも、同社の規模を考えても現在の株価(167ドル)で買うのはかなりアリだなと思いました。

米中貿易摩擦による減収や、大型買収などで株価が下がっており、上がり目が見えない同社ですが財務上不安な要素が一切無いと言えます。

確かに200ドル付近で購入した人にとっては損切したい気持ちもでるでしょうが、長期投資においてはその判断は不要ではないでしょうか。

気になる点としては、同社は大きな成長性が見込めず買収のような形で規模を拡大していくしかないことです。

肥大化しすぎた企業は時流に乗れずえてして自重に潰れてしまうものです。

この点はどの企業でも高配当バリュー株投資をしている時点で変わらないのですが。

様々な事業に手を出していることから、良くも悪くも大きく業績を変えない印象を受けました。

連続増配はまだまだ伸びそうですし、基本的にバイ・アンド・ホールドのスタンスで良いように思えます。

買い候補の銘柄の一つにしたいと思います。

それではまた次回お会いしましょう!

※関連記事です

3M社の行っている自社株買いについての記事です。基本的にホルダーにとってデメリットはないと言えます。しかし良い投資先が無いというとも受け取れます。

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