【M】Macy’s(メイシーズ)銘柄分析―超高配当最大手の老舗百貨店―

銘柄分析
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メイシーズは大手老舗百貨店です。配当利回りが現在9%近い超高配当銘柄になっています。

その分リスクもありますが、かなり魅力的な利回り、割安に置かれている株価ということで銘柄分析をしてみました。

S&P500の採用銘柄です。

※S&P500から除外されました。理由としては、株価低迷による時価総額減少です。

基本情報

社名:Macy’s

ティッカー:M

セクター:一般消費財

S&P格付け:BBB-

ROE:17.44%(2019/10/31時点)

PER:6.32(2020/1/7時点)

株価:17.10ドル (2020/1/7時点)

配当利回り:8.83% (2020/1/7時点)

同業種内時価総額No.1はあのAmazonです。現在ネットショッピングが主流の中、百貨店が苦境に立たされているのはどこでも同じのようです。

そしてネットショッピングを展開させつつ現在不採算填補を閉店しまくっているため、閉店コストも大きくのしかかっております。

決算も悪く、売上が上る見通しがまったくない為株価はネガティブ材料が出る度にマイナスになる一方です。

しかし現在この規模の会社にしては売られすぎであるとも言え(事実配当利回りは9%に近い)、注目されるべき銘柄であるため、銘柄分析をすることにしました。

米中貿易摩擦懸念から2019年8月頃に急落も

14日の米株式市場で、百貨店大手のメーシーズが急落。第2四半期(8月3日終了)決算が市場予想を下回り、不安定な百貨店業界の先行きは一段と厳しくなるとの懸念を裏付けた。

  同セクターで先陣を切って決算を発表したメーシーズは、通期の利益見通しを下方修正。今回の見通し引き下げについて、中国製品への追加関税を考慮に入れていないと警告した。同関税の一部は9月1日に発動される。

  メーシーズの株価は一時18%安。競合するノードストロムやコールズも下落。セクター全体の健全性に対し、懸念が強まった。

メーシーズ株急落、利益見通し引き下げ-百貨店業界の苦境浮き彫り

後述する株価チャートの推移ですが、2018年頃から一度戻してきた株価が米中関税関係への不安と業績懸念から下落の一途をたどっていました。

百貨店全体に対して業界として苦境に立たされているとの再認識から、一時18%安の大下落を記録しました。

上記Bloombergの記事にあるノードストロムやコールズは同じく百貨店でありますが、メーシーズのように下落傾向ではなく、8月に一時下落した後の株価は横ばい若しくは上昇にあります。

第3四半期もメーシーズは残念決算だったため、メーシーズの一人負け状態であります。

米百貨店のメーシーズは第3四半期(11月2日終了)の売上高は低調だったが、在庫を一掃し、重要なホリデーシーズンでの業績改善へ態勢を整えたと表明した。

第3四半期の既存店売上高は3.5%減と、メーシーズが予想していた以上に減少した。同社は通期の既存店売上高について1-1.5%減を予想。従来は最大1%増を見込んでいた。

メーシーズ、年末商戦へ「臨戦態勢」-低調な第3四半期から挽回狙う

2020年も同様に厳しい決算が続くようであれば、株価は更に下落する可能性がありますし、経営維持の問題にもなりかねないです。

株価チャート

2015年からみるみるうちに株価を下げています。

2015年に70ドルをマークしてから、現在2020年では17ドルとなっています。

PERが6.3と異次元な数字になっており、明らかに割安に置かれています。

また2020/1/6時点でのPBRは0.87となっており、リーマンショック以来の低さになっています。

Macy’s/PBR

PBRが1を下回るのが恒常化する銘柄もありますが、メーシーズが今後その様になるかは不明です。

しかし決算以上に大きく売られすぎているのは間違いなく、株とは会社を保有するという意味ですから、原則的にPBR1以下というのは明らかな割安です。

財務諸表

売上は減収傾向

直近で言えば、2014年をピークに2017年まで売上は減少傾向です。

2018年は若干持ち直したものの、2019年の決算の見通しは予想より下の為、あまり期待できないでしょう。

売上が今後大きく回復する見込みは無いのですが、不採算店舗を閉店していますので、そこで良化するかもしれません。既存店舗の売上は増加傾向のようです。

フリーCFはほぼプラス

意外にも、と言っては失礼なのですが、フリーCFはきっちりプラスを記録し続けています。

しかし営業CFは減少傾向となっており、この点今後も減少が続くと厳しいでしょうね。

下記はMacy’sの営業CFの数字です。

 営業CF
2005年$4,145.00
2006年$3,692.00
2007年$2,212.00
2008年$1,866.00
2009年$1,750.00
2010年$1,506.00
2011年$2,173.00
2012年$2,179.00
2013年$2,549.00
2014年$2,709.00
2015年$1,984.00
2016年$1,801.00
2017年$1,976.00
2018年$1,735.00

※単位は100万ドル

なお、財務CFを含めたCF純利益は以下の通りの推移です。

可もなく不可もなくという感じ。

今後営業CFが下がるであろう中、お金の流れがどうなるか注目です。

営業CFマージンは低い

これは百貨店等小売店では仕方がないのですが、営業CFマージンは7%前後、10%を超えることは近年無いです。

基本的に価格支配力がまったくないため、売値-仕入れ値という利ざやでしか儲けることが出来ません。

これに関してはやむを得ないでしょう。

EBITDA、EBITDAマージン 、総負債、財務CF

EBITDAは売上から税などを引いた数値で、真の収益力として参考にする事ができる数字ですが、売上と変わらないグラフの動きですね。

EBITDAマージンは多少動きがありますが、基本的に10~14%の範囲を推移しており大きく変動することはないようです。

総負債は減少傾向にあります、売上の上昇が見込めない中不採算店舗や負債を減らしているのは好感出来る所でしょうか。

債務の安全性(CR:流動負債比率、DER:負債資本倍率)

【DER】

DERは優秀です。

0.9以下だと良いと言われており、一時期約1.8まで上昇したものの、現在は減少傾向で0.7382と合格点。

後述しますが自社株買いを多少進めているものの、それ以上に負債の減少が進んでいるという形です。

【CR】

1を上回り、2.5以上が良いと言われていますが、常に1はオーバーしています。

差し迫り資金に困る事はないでしょう。

今まで銘柄分析をしていましたが、1を超えていればいいくらいな感じでMacy’sのCRは優秀な部類でしょう。

発行済株式総数

発行済株式総数は減少傾向です。

自社株買いを多少進めているのがわかります。2016年からは横ばいという感じでしょうか。

現在株価が大きく安いため、Macy’sが自社株買いを進めても不思議ではないと思いますね。

配当利回りが高いし、投資先が無く余ったお金を自社株買いにあててもおかしくないです。

配当金推移、配当性向

連続増配年数はゼロですが、2017年~2018年は維持、さらに2019年も$1.51ですので2009年から10年連続無減配です。

注目スべきはリーマンショック時に翌年配当金を半分にしていますので、この会社は減配をするんだという認識は持っておきましょう。

それでも現在の配当利回りは高いですが(笑)

配当性向は安全圏内です、50%を超えることすらほとんど無いため、配当維持の力は有しています。

FCFPSはこの様な推移となっています。

FCFPSは1株あたりのフリーキャッシュフローですが、配当金が現在$1.51ですから、1株当たりのフリーCFより少なくまだまだ配当余力があります。

FCFPSと比べても配当余力はありますね。

総括

確実に割安圏内だが、下がる売上のリスクを理解して投資しよう。

純利益もほぼ毎年プラスにしていますし、フリーCFも毎年プラスで、配当余力もまだまだあります。

しかし売上や営業CFは減少し続けていることから、先行きが不安なのは確かだと思います。事業内容的にも、株をホールドできる市場支配力やブランド力、持続可能性があるとは思えません。

一方でPER6.3、PBR0.87倍と明らかにこの規模の会社にしては割安水準過ぎます。

もちろん市場がその程度であると判断しているのは分かっていますが、安すぎると思います。

「安い時に買う」というのが投資の原則である以上、やはりこの銘柄の魅力に惹かれるところはあるのではないでしょうか。

しかし、先行きの不透明さを考えれば、ポートフォリオの1割を上限に大きく投資するのは難しい銘柄だというのが結論です。

それではまた次回お会いしましょう。

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S&P500採用銘柄の高配当上位10位の銘柄を調べたときの記事です。銘柄分析とまでは行かずとも10社に対してコメントしています。

高配当ETFのSPYDの採用銘柄でもあります。SPYDはS&P500の高配当上位80銘柄をイコールウェイトで保有するETFです。

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