【IBM】アイ・ビー・エム銘柄分析-高配当情報技術セクター株-

銘柄分析

2019年の通年決算を反映させました。

2019年はフリーCFがレッドハット買収でマイナスになっている点が大きなポイントです。しかし決算を見るにレッドハッド買収は正解だったといえるでしょう。

余談ですが、IBMと聞くと「シュタインズゲード」という作品を思い出してしまいます。同じ人いませんかね?

基本情報及びニュース

社名:International Business Machines Corporation

ティッカー:IBM

セクター:情報技術

S&P格付け:A

ROE:58.4934%(2020/4/27時点)

PER:11.62(2020/4/27時点)

株価:124.72ドル (2020/4/27時点)

配当利回り:5.2% (2020/4/27時点)

権利落ち日:2,5,8,11月(8~10日)

配当支払日:3,5,9,12月 (権利落ち日の一ヶ月後同じく8~10日)

2019年3Qで5期連続減収

IBMの7-9月(第3四半期)売上高は市場予想を下回った。買収したレッドハットの決算が当期から連結されたが、全社的な成長をけん引できなかった。16日の発表資料によると、売上高は180億ドル(約1兆9600億円)と、前年同期比3.9%減だった。アナリスト予想は182億ドル。アナリストはレッドハットの買収が業績改善につながるのではないかと期待していたが、5期連続の減収となった。

IBMの7~9月売上高、予想下回る-レッドハット買収効果薄

このあと財務状況分析でも書きますが、売上は減収傾向です。

IBMは名前の通り、国際的な企業向けビジネスハード、ソフトの提供企業になります。

現在テクノロジーサービスはレッドオーシャンと言え、巨大企業のIBMとは言えかなり苦しい戦いを強いられています。

IBMの栄華はマイクロソフトが台頭する前の1980年代までだったと言われています。

商用量子コンピュータ、クラウド事業、AI事業と次世代型の開発も行っている

メインフレーム事業で大きくなり、それが時代遅れとされた近年にIBMは凋落したと言われています。

事実WindowsというOSソフトを作ったマイクロソフトや様々なWebサービスを提供するGoogle、FaceBookなどは全てソフトウェア部門です。

メインフレーム事業とは、いわゆる機械そのものの販売であり、専売的な要素が弱く競合他社に負ける要素が強いのです。

一方ソフトウェア、デジタルサービスも同じではあるものの、一度大きくなれば価格支配力、安定した収益を見込めることが出来ますからその差は明らかです。

現在IBMはクラウド事業で業績を伸ばし、その他事業はほぼマイナスですので、メインフレーム事業は減縮傾向にあります。

しかしながら今年に入ってIBMは商用量子コンピュータの発表を行っておりネットワークを通じた量子コンピュータの利用サービスを始めています。

米IBMは、ニューヨーク州に量子コンピュテーション・センターを開設し、オンラインで利用できる商用の量子コンピューター10台を用意した。登録ユーザーがオンラインで利用できる施設で、15万人以上の登録ユーザー、80社に近い法人クライアント、学術機関、研究所などが利用する。

米IBM,ニューヨークに量子コンピュテーションセンターを開設/BCN

商用としてはメインフレーム事業は未だ健在と考えられます。

高配当ながら、同社の成長性への投資になりそうです。

売上割合

【販売地域】

米国:47%

欧州中東アフリカ:31.7%

アジア太平洋:21.3%

【事業構成】

クラウド、コングニティブ事業:30%

グローバルビジネスサービス:21.5%

グローバルテクノロジーサービス:35.5%

システム:9.8%

グローバルファイナンス:1.8%

コングニティブとは認知を意味し、自己学習サービスつまりAI事業の事です。IBMではWatsonというAI事業を展開しています。

株価チャート

つい超長期の株価を表示してしまいました(;´∀`)

これを見ると、1987年頃に株価50ドルを記録しましたが、その後1993年に10ドルまで下げちゃうんですね。

そのあとITバブルの波に乗って上昇、バブル弾けて60ドル、その後220ドルまで上げていま減少って感じです。

【2000年からのSPYとIBMのトータルリターン比較】

あっ……(察し)

ま、S&P500を上回る銘柄がいくつあるのかって話ですけどね。

ここ5,6年は低調気味ですね。株価の通り。

財務諸表

素晴らしく堅調なグラフですね、売上が落ちているって事に目を瞑れば!!!

下がる売上

2011年あたりは株価も上がって200ドルくらいありましたが、下がり続ける売上に株価を下げ、現在124ドルくらいです。

これでもましになったのですが、これはクラウド事業の割合を増やし、経営転換が上手く行った証拠です。

冒頭でレッドハット買収によってクラウド事業を拡大していながらの減収になりましたが、レッドハット自体は増収でしたので、全体の減収をどうやって抑えるかが今後の課題でしょう。

圧倒的営業CFマージンの安定性

これはエクセルとにらめっこしながら、かなり気になっていました。

営業CFマージンとは、売上に占める営業CFの割合ですので、事業を再編したりすれば当然市場によって価格支配力が変わりますが、良くも悪くもずっと20%を前後しています。

20%というのは優秀な数字と言えますね……マイクロソフトは30~40%なんですけども。

この点にメインフレーム事業凋落と言われる所以が見えますが、それでも20%は優秀な数字です。

フリーCFも安定してプラス

通例ですが、安定したキャッシュ創出能力があるというのは投資家にとって一番気になる所です。

金がなければ配当も出せませんからね。

2019年は唯一のマイナス、これはレッドハット買収による投資CFが大きく増えたからですね。2020年は+で終わると思われます。

ちなみに、財務CFも含めたCF純利益(ネットキャッシュフロー)は以下の通り。

まぁまぁって感じですね。

S&P格付けAAAのジョンソンエンドジョンソンでも同じ様なグラフになります。

EBITDA、EBITDAマージン 、総負債、財務CF

負債は横ばいって感じですね、タイミングを返済して、借入れてと行った感じでしょうか。

2019年の負債はレッドハット買収による増加です。

 

EBITDAマージンは売上の減少と同じ動きをしています。

EBITDAは税や減価償却を除いた真の収益力と呼ばれていますが、営業CFマージンが一定なのに対してEBITDAマージンは下がっています。

個人的には営業CFマージンの方が信用できる数字ですが、収益の効率性が下がったと見て良いかもしれません。

債務の安全性(CR:流動負債比率、DER:負債資本倍率)

【DERは高い】

0.9を下回ると良いとされるDERは2.997です。

これは後述しますが、自社株買いを積極的に行っているため、負債/株主資本という計算だとどうしても大きくなってしまいます。

【CRは常に1を上回る】

一方で流動比率は常に1を上回っています。

これは結構いい数字ですね、セクター関係なく、1をちゃんと上回れている会社というのは少なく、現金やすぐに売れる資産を多く持っている証拠です。

2019年のレッドハット買収で1にほぼ近づいてしまいました。2020年以降どうなるかに要注目です。

負債の安定性は、S&Pの格付けにそぐわないと言ってもいいでしょう。

発行済株式総数

右肩下がりです。

発行済株式総数を減らすことで、売上低下によるEPS下げを相殺しているのがわかります。

計画的に株を買い付けていることがわかりますね、資金が余ってて良い投資先がないとも読み取れます。

IBMの現状から考えると株価が安いというアピールよりは、EPS下げ相殺や投資先が無いのかとも思えますが……。

何にせよホルダーにとっては悪いことではないですね。

配当金推移、配当性向 (連続増配20年)

連続増配20年、かつ増配の割合も高く、1株あたり6ドルを超えています。

これは積極的な自社株買いにより、発行済株式総数が減っているためですね。

2017年の税制改革でEPSが下がったため配当性向が高くなっていましたが、一時的なものでありかなり余力があるのがわかります。

【FCFPS】

1株あたりのフリーキャッシュフローは、12ドル程度ですので、配当金/FCFPSでも50%程度と言えます。

かなり優秀で、配当持続性は強いと見ました。

※FCFPSは、2019年はマイナスだと思うんですが参考にしているサイトが+14.5842と表記していました。一応そのまま記載。

総括

配当持続性に優れたIT界の巨人、今後の事業拡大の方針に要注目

眠れるトラなのか、可愛い子猫ちゃんなのかは分かりません。

事業を方向転換し、クラウド、AI領域に手を出して利益を上げつつ、量子コンピュータというメインフレーム事業も未だあります。

名前の通り、企業向けのシステム提供会社で170カ国でサービスを展開していますから、かなりディフェンシブな会社なのでは?と思ってたりします。

そもそも、会社の運用システムに深く入り込めたら、運用システムを変えるのは非常にコストがかかることから大きく変わることがありません。

とは言え売上の減収を見れば分かる通り、徐々に下がるのは確かですが。

IBM自体の配当持続性、配当成長性はまだあると見てます。

また、企業の事業形態から大きく売上を下げることはないのではないと考えられます。

面白いのが、配当を期待しながら、企業の成長性を同時に期待するということになる銘柄であるところです。

クラウド・AI・量子コンピュータの三本柱が大きな成長期待になりえます。連続20年増配ですから、かなり配当金を意識していますし、財務諸表上も優秀です。

やめたい夫的には買い候補の一つだといえます。

それではまた次回お会いしましょう!

※関連記事です。

同業種内時価総額No.1はマイクロソフトです。配当利回りこそ低いですが、IBMと同じく枯れ果てた銘柄扱いだったのが復活して上り調子になりました。

IBMは非常に自社株買いに熱心な会社です。自社株買いは、ホルダーにとってデメリットはほぼありませんよ。

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