【BP】ブリティッシュ・ペトロリアム銘柄分析(高配当ADR石油株)

銘柄分析

石油メジャー大手、ブリティッシュ・ペトロリアムは最近配当利回りが6.7%と超高配当の域に達しました。

イギリスに本社を置くADR銘柄ですので、現地課税がかかりません。

基本情報

社名:ブリティッシュ・ペトロリアム

ティッカー:BP

セクター:エネルギー

S&P:A-

PER:9.82(2019/08/23時点)

ROE:12.12%(2019/06/30時点)

株価:$36.21(2019/08/23時点)

配当金:$2.43(2018年)

配当利回り:6.736%(2019/08/26時点)

2018年民間石油企業売上2位の石油大手スーパーメジャー

本社をイギリスに置くADR銘柄です。

配当の現地課税がかからないのが利点ですね、配当利回りも6.7%と非常に高いです。

売上高は2018年は民間では2位です。

なお、埋蔵確認量も世界2位、生産量では3位と位置づけております。

【地域別売上高】

米国:35.1%

米国以外:73.5%

米国内シェールガス事業買収

2018年7月末のニュースですが、BHPビリトンから、テキサス州等3鉱区を1.2兆円で買収しています。

BPの2018年通年報告書でも、2040年における主要エネルギーは相変わらず石油だが、新エネルギーの占める割合は増え、石油は現在より減る旨の記述がありました。

BHPビリトンの事業買収は、他にもロイヤル・ダッチ・シェルやシェブロンも落札に参加していたそうです。

石油大手は当然どこも同じことを考えているのでしょう。

通年報告書の流し読みをXOM、CVX、RDS.B、BPの4つしましたが、どこも電気エネルギーやバイオエネルギーなど新エネルギー開発に熱心でした。

BPも同様に報告書に買収や再編、開発への意欲が記載されていました。

2010年4月メキシコ湾原油流出事故

2010年メキシコ湾原油流出事故は、2010年4月20日にメキシコ湾沖合80km、水深1,522mの海上で海底油田掘削作業中だった、BP社の石油掘削施設「ディープウォーター・ホライズン」で、技術的不手際から掘削中の海底油田から逆流してきた天然ガスが引火爆発し、海底へ伸びる5500mの掘削パイプが折れて大量の原油がメキシコ湾へ流出した事故。

2010年メキシコ湾原油流出事故 /Wikipedia

テレビで大々的に取り上げられた、史上最悪クラスの原油流出事故です。

実はこの事故こそBP社の事故だったりします(正確にはBPの契約先の会社の事故だが、BPが急がせたことが原因といわれている)。

政府や州へのBPの支払い総額は460億ドルに及び、2015年から18年間(2032年)に渡って支払いをする事になっております。

この事故で株価が2割下落(約60ドル→40ドル)しました。

しかしここからチャートが下がることはなく、それ以降ずーっとボックスレンジ(30~50ドル)です。

同業種内時価総額2018年現在4位を圧倒的大企業であり、それこそチャートが下に続いていかない理由のように思えます。

チャート

青がBP株価、オレンジが原油価格です。

縦の赤い点線は2010年の原油流出事故のタイミングです、株価2割下落ってWikiにあるけどこれほぼ5割下落っすね、恐ろしい。

ほぼ原油価格に連動していることが分かります。

訴訟の2015年に終局的に決着したので、BPはある意味同じような不慮の事故が無い限りはまた原油価格に連動した株価になると思われます。

財務諸表

【他より低い営業CFマージン】

スーパーメジャー他社はほぼ10%近いのですが、5%前後の年が2010年~2013年と続いています。

先ほど紹介した通り原油流出事故の影響であることは明らかですが、2017年、2018年は営業CFマージンは約8%でしたので、他のスーパーメジャーと同じ水準が見えてきています。

【事故があってもキャッシュ創出能力はある】

さすがスーパーメジャーといった感じです、フリーCFは2005~2018年の間に2度しかマイナスになっておりません。

投資CFは全ての年においてマイナスですので、設備等の売却で無理やりお金を作ったわけではなく、純粋に金がある

ここから分かるのは、同業他社のスーパーメジャー他3社も、同様の原油流出のような事故を起こしてしまったとしても、同じように圧倒的なキャッシュ創造力と強い財務状況で多額の賠償を払える点です。

もちろん株価は下落しますが、下落幅は限定的だと思います。

これは、どの銘柄も配当金が高い傾向にあり、配当利回りの旨味が増え結果下げ止まりするからです。

BPこの点は安心できますね。

【純利益>営業CF……?】

実は、2011年、2013年に営業CFが当期純利益を下回っています。

おそらく原油流出事故における賠償額を営業CFに計上しないでそのまま賠償に回し、営業CF額が下がったのだと考えますが……。

この時はBPは相当追い詰められていたので、かなり無理矢理純利益を上昇させていた可能性もあります。

配当推移と配当性向

ひぇっ……なんだこれは……。

【配当性向】

配当性向にマイナスという概念はあるっちゃあるけどマイナスは参考値。

原油価格下落に伴って、他のスーパーメジャーも同じですが、2015~2016年は1株当たりの利益が低いので大変な配当性向に。

特にBPは発行済株式がスーパーメジャー4社の中ではひときわ大きい(200億株)ので、これは苦しいと思います。

2018年の配当性向もほぼ90%で、原油高にならない限り苦しいでしょうが、今後原油安は続くと見られているので、このまま配当性向80~90%が続くやもしれませんね。

【配当金】

2010年は仕方がない。

2010年はあの事故を起こしてから1度も配当金を配っていません。そして2011年に配当を再開しています。

キャッシュがなかったわけじゃないのは、2010年のフリーCFを見れば分かることで、完全に事故を起こしたのに賠償金が生じている中配当金は出せないという自粛でしょう。

2011年からは減配はしていません。ドルベースで減配していないのは、ロイヤル・ダッチ・シェルと同じく意識していると思います。

ただポンド安がドルベースで減配しないポリシーを、ボディーブローのようにダメージ与えてそう。

基本的に減配はしない方針だと思いますが、2003年から2004年へは減配を一度していますので、絶対しないわけじゃないです。

総括

事故の影響を未だ引きずるものの、スーパーメジャー時価総額4位の世界的大企業としての体力は健在といった感じ。

ただ気になるのが2018年の配当性向の高さです。

これは発行済株式が多すぎて1株当たりの利益が少ない一方で、現状1株$2.4の配当がかなり苦しい事を表しています。

自社株買いを進めているとは言い難い状況ですし、正直配当このまま現状維持ができれば御の字なのかな、と思うところです。

S&PはA-と、ギリギリAランクと投資適格かつ優れている部分があるという扱いです。

個人的に長期投資する場合にBPはちょっとキツイ印象があります。

石油株にキャピタルは期待できず、持つことのメリットはやはり配当金だと思います。

その場合、やはり2018年の配当性向がかなり引っかかります。

2018年の配当性向は、XOMが66%、CVXが57%、RDS.Bが67%です。

EPSが今後成長の見込みがない(投資は示唆していましたし、売上増収見込みのようですが)と思います。

2019,2020,2021年の配当性向が安定していて、かつ事業が拡張安定していれば、その時投資を検討したいと思いました。

他のスーパーメジャーには個人的にちょっと不安(ある意味S&P格付けの通りという感じ)。

 

それはまた次回お会いしましょう。

 

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