【ARCC】エイリスキャピタル銘柄分析-米国最大のBDC企業-

銘柄分析

・エイリスキャピタルは米国最大のBDC企業

・同社のリスクは中小企業への貸し倒れリスク

・BDC企業を通して、中小企業に投資しているためハイイールド債ETFと同じ様な特性であると考えられる

・利益の9割を株主還元することで税制上恩恵を受けるため、配当の高さに期待できる

・結論:リスクを負ってインカムを狙う銘柄

基本情報

社名:エイリス・キャピタル

ティッカー:ARCC

セクター:金融

PER:9.75(2019/10/03時点)

ROE:10.72%(2019/06/30時点)

株価:$18.27(2019/10/03時点)

配当利回り:8.84%

権利落ち日:3,6,9,12月(各15日)

支払日:3、6、9,12月(各月末営業日)

BDC(事業開発会社)とは?

エイリスキャピタルは米国最大のBDC企業です。

Business Development Companiesの略で、有望と見た企業に対して、事業開発を融資及び経営面からサポートする会社です。

BDCの特徴としては、融資先の企業から得られる利益や配当のような利益の9割以上を配当に回すことで、税制上優遇措置を受けています。

これは、銀行の統合が進む中で、中小新興企業に対する資金供給を促す政策的な目的に基づくものです。

BDCは上場し、自身の株から資金を調達し、融資をするため、間接的に中小企業に投資をしている事になります。

性質上、ハイイールド債に投資をしていると言っても良いのではないでしょうか。

銀行の統合が進み、中小への融資は減っている

アメリカでは、銀行の数が統合が進み、ほぼ半減しました。

今後もこの傾向は続くものと見られていて、地銀が有していた中小への投資という役割は銀行には失われつつあります。

Ares Capital HP掲載プレゼンテーション資料より(PDF)

信用力の低い、レバレッジドローン市場への銀行からの融資はかなり低下している事がわかります。

レバレッジドローン市場とは、格付けが低く、債務過多の企業でも借り入れができる市場です。

そのため、金利は高いものの非常に高いリスクがあります。

経営統合が進み巨大化する銀行ほど、効率的な資金経営をするためにレバレッジドローン市場への投資を避ける傾向にあります。

この点からもBDC企業の存在意義が今後より必要になっていく事がわかります。

ただし、BDCを通してこの様なハイリスクな投資になるということは重ねて把握しておくべきでしょう。

エイリスキャピタルは、リーマンショックの時に鬼のような株価下落を記録しましたが、それを耐え抜いているのでその点安心感はあると思いますが。

※2019/10/11追記

現在レバレッジドローン市場が大幅に価値を毀損したというニュースがありました。まだ崩壊とまでは言いませんが、着実に方向転換しつつあります。

約400億ドル(約4兆3000億円)相当のレバレッジドローン債権が、価値を大きく下げている。ブルームバーグがまとめたデータによると、50社余りの企業向けローン債権は、3カ月の間に額面の少なくとも10ポイント相当の価値が失われた。さらに大きく値下がりしたローンもあり、貸し手がローン債権を売ろうとした場合、額面の3分の2を回収できれば幸運という状況だ。

レバレッジドローン4兆円相当の価値が急落-センチメント転換か

非景気循環型の資本が大きい企業への投資を行っている

ARCCのレポートで記載されていたのを引用します。

ホテルやゲーム、小売や素材、輸送防衛あたりの投資に占める割合はかなり抑えているとの主張でした。

すなわち、景気後退局面においても貸し倒れになる可能性は低いよ、という意味の主張のようです。

ホントですかねぇ(笑)

業種別のポートフォリオの割合は以下の通りです。

ヘルスケア、ビジネスサービス、消費財(必需品のことだと思われる)、金融で約半分を埋めています。

セクター的に、確かにディフェンシブなチョイスをしているのは分かります。

マネックス証券に限られる

米国株に投資が出来る会社は、楽天、SBI、マネックスの三社です。

その中でマネックス証券のみがエイリスキャピタルに投資できます。

投資したい場合は、マネックス証券の口座を開設しましょう。

株価チャート

Trading View

全然株価は上昇していません。

IPOとして上場したのが2004年で、それ以降鬼のような下げをリーマン・ショックの時に経験したのみです。

いわゆる100年に一度の暴落と言われていましたが、普通に乗り越えていますね。

企業価値、成長性は経営方針的にゼロと言ってもいいと思います。

本当に債権的な値動きをしております。

財務状況

金融セクターだしあまり推移などを見ても意味がないのですが、一応入力したので見てみましょう。

売上というか営業収入は拡大傾向にあります。また、純利益も一応増加傾向です。

フリーCFについてはほぼマイナスですね。

投資CFが項目としてなかったため、営業CF=フリーCFとなっています。

2017年の大きなマイナスは、同業のBDCアメリカンキャピタル買収の影響でしょう。

金融株はキャッシュフローが安定しないのですが、結構マイナスになっていますね。

内訳を見ると、マイナスの大半は「change in inventories」つまり在庫投資に使ったということで計上されていました。

アメリカンキャピタル買収の場合は「other non-cash items」つまりその他購入で出費で計上されていますので、買収ではないですね。

企業への融資による債権増大のことを在庫増加と言っているのだと思いますが、投資CFを作れよと悶々としました。

これキャッシュフローで嘘つけないからって変な計上してないか不安になりますね。

EBITDA、EBITDAマージン 、総負債、財務CF

異常に高いEBITDAマージンは、税制上優遇されており、その点において売上からEBITDAにほぼ影響を与えてないことで説明が付きます。

営業CFはマイナスだったのに対して、融資による資金回収を行えている為に財務CFは毎回プラスになっています。

こっちが本当の営業CFなのでは……。

負債は無事増え続けています本当にありがとうございました。

長期債務がほとんどでした。

融資するために債務を負っているのだと思います。

融資先を広げる為に債務を増やしているため、これをもって悪いとは言いにくいですね。

そういう会社であるわけですから、むしろ融資先が多いことを喜ぶべきかもしれません。

債務の安全性(CR:流動負債比率、DER:負債資本倍率)

【DER】

DERは常に1を下回っています(財務状況は安定定期といえる)。

自己資本に対して債務が下回っている事が分かります、一度も1すら上回っていません。

金融セクターのDERは、自己資本が多いため基本的に1を下回るようですので、この数値は金融セクターの特徴ですね。

【CR】

CRも安定的に1を上回っています。

エイリスキャピタルは先ほど説明した通り長期債務がほとんどです。

そのため、流動債務(1年以内に返済すべき債務)が少ないから安定的な数字であると言えます。

金融セクターでCRが調べられるのが無いためセクターの特徴かは不明です。

基本的に、貸し倒れ(債権回収不能)リスクの方が主だった心配ですので、これらの数字が良いからと言って安心出来るものではないでしょう。

発行済株式総数

資金調達の為に、少しずつ株式の発行数を増やしていることが分かります。

あまり自社株買いを行うステージでは無いのでしょうか。

EPSの低下と、配当利回りの低下が心配されます。

配当推移、配当性向

配当金の推移は現在一定です。

営業収益や発行済株式数が増えていることを考えると、配当金を維持しつつ株の発行数を増やしているようです。

配当性向は、ほぼ100%です。

これは、BDC企業の特徴といえますね。

利益のほとんどを株主に還元する事で税制上の利益を得ていますので、今後も同様の無理ない配当性向が続くことになると思われます。

増配はほぼ期待できません、減配する年もあるので、高配当ながら安定的なインカム源を期待するのは難しいでしょう。

【配当利回り推移】

リーマンショックの時すごすぎますね。

それ以外は安定的です。

配当推移としては、8~9%を推移しています。

買いのタイミングとしては10%が目安になりますでしょうか(株価$15程度)。

総括

ハイイールド債と同じように見るべき、金融危機等の景気後退の影響を受けるため、その時を狙おう

明らかにキャピタル狙いの株ではありません。

現在営業収入を増やしているため、融資先や経営マネジメント先が増えていることが分かります。

今後同様の傾向になるかは分かりませんが、同社のリスクはとにかく貸し倒れリスクに尽きます。

この点において、景気後退局面において特にリスクが増大し、株価が下落することでしょう。

金融セクターであることから、大きく株価を下げるのは金融危機であることがリーマンショックの時でわかります。

現在の配当利回りは8%を超えていますが、実際に投資をするのであればもう少しリスクに対するリターンが欲しい所です。

同社の株の推移を見ても、現在の株価は少し手を出しにくい価格になっています。

PFFとかに投資するのであれば、エイリスキャピタルでいいのではないかと考えます。

どうせ値上がり狙えないし……。

やめたい夫としては、リスクを取って投資をしてみようと思える銘柄でした。

何でもかんでも配当利回りに釣られるのは危険ですが、ポートフォリオの5%程度であれば投資しても良いのではないでしょうか。

リーマンショック時の配当利回り40%は流石にヤバすぎですが……。

株価$15~16の時を狙って購入をしていきたいと思います。

それではまた次回お会いしましょう!

※関連記事です

エイリスキャピタルを購入するために、マネックス証券の口座を開設しましたが、未だ投資機会は訪れず……(笑)

※ランキングに参加しています、クリックしていただけると嬉しいです。(クリックするとランキングに飛びます)


銘柄分析
シェアする
仕事辞めたい男の投資ブログ

コメント