【米国】景気後退か、さらなる躍進か。

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2019年8月の米国ISM製造業景況指数が50下回りました

2016年8月以来、実に2年ぶりに米国ISM製造業景況指数が50を下回りました。

ISM製造業景況指数の50のラインは景気後退か否かの判断の非常に重要なラインで、この数字の重みは大きいです。

最近の米中貿易摩擦が明らかに影響を与えています。

そもそもISM製造業景況指数とは?

ISM(Institute for Supply Management)製造業景況感指数とは、全米供給管理協会(ISM)が公表しているアメリカの製造業の景況感を示す指数のことをいいます。300を超える製造業企業に対して「新規受注、生産、雇用、入荷状況、在庫」といった項目に関するアンケートを実施して、回答結果から指数を算出しています。最新の状況を表し、しかも精度が高いとして信頼度も高いものになっています。一般に、数値が50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退と判断されます。

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米国の経済指数の中から最も早く発表され、また企業の景気感を表した先行指数として、非常に注目度が高いです。

また、ISM50以下の時にFRBは政策金利を上げたことがないため、FRBのスタンスを図る指数でもあります。

9月は金利を下げることがほぼ確実視されていましたが、ISM50割れで更に確実になりました。

リーマン・ショック後の二度の景気後退危機

2009年に尋常じゃないくらい下がっていますが、その後に長期好景気と呼ばれる景気拡大局面が現在まで続いています。

そんな中、二度2ヶ月と5ヶ月ISM製造業景況指数50割れを記録していますが、なんとか景気後退は免れています。

一度目は、2012年の欧州債務危機、2度目は2015年末~2016年頭のチャイナ・ショックです。

いずれも景気後退は避けることが出来ましたが、今回三度目のISM製造業景況指数50割れによって、景気後退入りするか注視すべきタイミングになったと言えます。

景気循環サイクル

経済学で学校でも習うと思いますが

チキン循環(在庫変動):1~2年

ジュグラー循環(設備投資):10年

クズネッツ循環(建設投資もしくは人口変動):20年

コンドラチェフ循環(技術革新)

という景気循環が定説で存在しています。

在庫変動に関しては、企業努力でなんとか乗り越えられますが、設備償却、建設、労働人口が相まってしまうと企業努力や政策ではどうしようもない部分があります。

ジュグラー循環について

2009年頃から始まった景気拡大局面から丁度10年が経とうとしようとしています。

つまり、ジュグラー循環に従えば、大半の企業は景気拡大に伴って投資した設備の償却を迎えています。

現在ISM製造業景況指数50割れを見るに、投資には消極的になると考えられます。

更に設備投資を10年前より拡大させるか?と考えると、正直この点は難しいと思います。

クズネッツ循環について(主に人口面)

現在ミレニアム世代(80年代後半~90年代中頃生まれ)が労働人口の多くを占めています。

25~30歳の世代を指し、ミレニアム世代とも呼ばれています。

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ウィキペディアから画像を拾いました。

今後就職する人口はこの15-19の世代ですが、現在子供が減少傾向にあります。

これは、40-44~30-34の世代が人口の波的に底の世代だからです。

つまり、今後10年間は就職人口は減ると見れます、そしてミレニアム世代の子供が20年後くらいに大人になると考えられています。

景気循環的に米国の景気後退は近そう

ジュグラー循環とクズネッツ循環は、グローバル化によって他国の労働力や設備を使用することで影響を減らすことが出来ると私は考えています。

しかしながら、米国が現在貿易摩擦を引き起こしまくって保護貿易、反グローバル的な政策を採るとすれば……。

グローバル路線維持でも米国以外は世界的に景気後退に入っているため、いずれにせよ景気後退が近い間違いありません。

経済の景気循環的にはかなり怪しい時期に入ったと思います。

設備償却を迎え新たに設備購入するなら、賃金は上昇せず、賃金が上昇しなければ個人消費は下がります。

個人消費がGDP8割の圧倒的消費国家米国にとって、個人消費が下がるのは痛いポイントです。

ましてや、米中貿易戦争による関税による値段上乗せはすべて消費者に転嫁されるところ、更に消費は落ち込むと言えます。

トランプ大統領が採りうる2つのシナリオ

中国への強硬姿勢を強化するシナリオ

2020年11月に控えた米国大統領選挙を前に、更にトランプ大統領が暴れるシナリオです。

更に貿易摩擦が引き続けば、企業は投資を控えると考えられ、ISM景況指数は続落すると考えられます。

残り1年近くですので、トランプ大統領としてはなんとしても2020年11月までに米国民に殴り合いの成果を持ち帰りたいはずです。

しかし交渉の中で、恐らく要求ラインというのが米国内には存在していて、中国が譲歩するまでこの喧嘩は終われないはずです。

妥協すら望めないラインであればトランプ大統領は確実に引き返せないポイントに現状ついているため、このシナリオが想定できます。

この場合はISM製造業景況指数は更に落ちると見られます。

米中貿易戦争停戦へ

市場が望むシナリオはこちらです。

先述の通り、トランプ大統領は米国大統領戦を控えており、市場が求めているシナリオはこちらでしょう。

トランプ大統領が大統領選を前に自身の再戦の為に一時停戦をすると、市場は安心感が広がり投資や採用が広がると考えられます。

この場合ISM製造業景況指数は再び50を超えることが想定できます。

米中間の問題は全く解決出来てないので、トランプ大統領的にはあまり採用したくないシナリオでしょう。

Twitterでは、常に中国に喧嘩腰ですので、米国の要求ラインを下回っても諦めるとは個人的には考えにくいと思います。

停戦してもマイナスがゼロになるだけ

市場が米中貿易戦争の先行き不安から指標や株価を”マイナス”にしているというだけで、経済の実態が拡大しているとは言えません。

仮に米中貿易戦争が停戦したとして、一時的に指数や株価が上昇したとしても、不安売りから戻しただけです。

景気サイクルからは逃れられないのは間違いないわけで、米中貿易戦争は明らかに世界のGDPを下げることには変わりがありません。

米国がリセッション入り間近なのは間違いないのかな、というのが個人的な考えです。

いや、素人採寸ですが。

 

現在世界経済の注目は、英国ブレグジット問題や、米中貿易戦争の行く末です。

米中貿易戦争の行く末については、年末(11月、12月)あたりには方向性が固まるとは思いますが、どうなることやらという感じですね。

現状このような不安定な状況ですので、先行きがわからない間は投資をしない(休むも相場)か、積立投資、定額投資に限ると考えます。

それではまた次回お会いしましょう!

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